お金にまつわる出来事は、毎日のようにニュースになります。
強盗、詐欺、脱税、相続トラブル。
もちろん、お金そのものが悪いわけではありません。
けれど、お金は人の心を大きく揺らします。
以前、恩師からこんな言葉を聞いたことがあります。
「大きな事件の背景には、お金か色恋沙汰があることが多い」
少し極端な言い方かもしれません。
でも、年齢を重ねるほど、その言葉の重みがわかるようになりました。
お金は、放っておくと人を振り回します。
だからこそ、こちらがきちんと手綱を握ってあげる必要があります。
私は家庭の家計をGoogleスプレッドシートで、個人の家計を家計簿アプリで管理しています。
正直に言うと、お金は今でも難しいです。
私は過去に生活保護を受給することになり、その過程で自己破産も経験しました。
だからこそ、お金については人一倍敏感です。
「もう同じ失敗はしたくない」
「家族を守れるお金の使い方をしたい」
「不安に飲み込まれるのではなく、少しずつ安心を作りたい」
そんなことを考えていた時に出会ったのが、『トゥー・ビー・リッチ』という本でした。
この記事では、この本を読んで感じたことと、私自身がたどり着いた「お金の賢い増やし方」について書いていきます。
スタバ1杯を毎日続けたら、年間いくらになる?
みんな大好きスターバックス。
私も好きです。
ただ、やっぱり高い。
私がスタバを利用するのは、外出先で少し時間ができた時や、待ち時間が長い時くらいです。
毎日の習慣にするには、私の家計には少し重たい出費です。
たとえば、1杯700円のドリンクを毎日買ったとします。
700円 × 30日 = 21,000円
21,000円 × 12か月 = 252,000円
年間で252,000円です。
1回700円だけを見ると、そこまで大きく感じません。
けれど、1年で見ると約25万円。
10年で見ると、単純計算でも252万円です。
さらに、もし毎月21,000円を年利7%で10年間積み立て運用できたとすると、将来の金額はおよそ360万〜370万円になります。
もちろん、投資には値動きがあり、必ず増えるわけではありません。
それでも「小さな出費が、長い時間で大きな差になる」という感覚は、とても大切です。
いわゆる「ラテマネー」です。
小さな出費でも、毎日続けば大きな支出になります。
私はできるだけカフェ代やペットボトル代をかけないように、水筒を持ち歩いています。
無印良品の給水サービスを使ったり、子どものおむつ替えのタイミングで水道から補給したり。
少し地味ですが、こういう小さな積み重ねが家計を守ってくれます。
そして不思議なことに、毎日飲むスタバより、たまに飲むスタバの方が美味しく感じます。
節約は、我慢ばかりでは続きません。
「毎日なんとなく使うお金」を減らして、「本当に楽しみたい時」に使う。
その方が、お金も心も満たされる気がします。
NISAやiDeCoは、お金に働いてもらう制度
「投資はギャンブル」
そう感じる人もいると思います。
私も昔はそう思っていました。
たしかに、短期間で大きく儲けようとしたり、値動きの激しい商品に集中投資したりすれば、ギャンブルに近くなります。
でも、長期・分散・積立を意識した投資は、少し性格が違います。
たとえば、S&P500や全世界株式に連動する低コストの投資信託は、世界中の企業の成長に少しずつ乗っていく方法です。
もちろん、リーマンショックやコロナショックのように大きく下がる時期もあります。
それでも、長い目で見れば経済は成長してきました。
ここで大切なのが、NISAやiDeCoのような制度を使うことです。
通常、投資で利益が出ると税金がかかります。
せっかく増えたお金の一部が税金として引かれるわけです。
一方、NISAでは投資で得た利益が非課税になります。
現在のNISAには、つみたて投資枠と成長投資枠があります。
つみたて投資枠は年間120万円、成長投資枠は年間240万円まで使えます。
合計で年間360万円まで投資でき、非課税で保有できる総額は最大1,800万円です。
とはいえ、無理に満額を目指す必要はありません。
大切なのは、自分の家計に合った金額で続けることです。
月1,000円でも、月5,000円でも、始めることに意味があります。
投資はマラソンです。
全速力で走るより、息切れしないペースで続ける方が大切です。
iDeCoも魅力的な制度です。
掛金が全額所得控除になるため、節税効果があります。
運用益も運用中は非課税です。
ただし、iDeCoは原則として60歳まで引き出せません。
老後資金としては心強い一方で、急な出費には使いにくい制度です。
そのため、私はまず生活防衛資金を作り、NISAを優先し、それでも余力があればiDeCoを活用する考え方が現実的だと思っています。
特に家計に余裕が少ない時期は、無理に投資額を増やすより、現金を残すことも大切です。
投資は未来のため。
でも、今日の生活を守ることも同じくらい大切です。

住まいは賃貸がいい?持ち家がいい?
お金の使い方で大きなテーマになるのが、住まいです。
賃貸がいいのか。
持ち家がいいのか。
これは永遠のテーマかもしれません。
賃貸には、身軽さがあります。
家族構成や仕事、収入の変化に合わせて住み替えやすい。
修繕費の負担も、持ち家に比べれば限定的です。
一方、持ち家には安心感があります。
自分の家を持つ喜びもありますし、老後の住まいを確保できるという考え方もあります。
ただ、持ち家の場合はランニングコストを忘れてはいけません。
住宅ローン、固定資産税、修繕費、管理費、火災保険。
マンションなら修繕積立金もあります。
「家賃がもったいないから買う」という理由だけで決めると、思った以上に支出が重くなることがあります。
また、持ち家は資産の多くが不動産に集中しやすいです。
十分な金融資産がある人なら問題ないかもしれません。
でも、家計全体で見ると、住宅に資産が偏ることはリスクにもなります。
日本は人口減少が進んでいます。
不動産価格は地域によって大きく差が出るはずです。
都心のように価格が高い地域もあれば、今後価値が下がりやすい地域もあるでしょう。
「持ち家なら必ず資産になる」とは言い切れません。
だから私は、今は賃貸で様子を見るのも十分に良い選択肢だと思っています。
大切なのは、賃貸か持ち家かを他人の価値観で決めないことです。
自分の収入、家族構成、健康状態、働き方、将来の不安。
それらを全部並べて、自分たちに合う住まいを選ぶことが大切です。
住まいは、人生の土台です。
見栄で選ぶものではなく、暮らしを守るために選ぶものだと思います。

家計簿でお金の流れを見える化する
お金が貯まらない時、多くの場合「何に使っているかわからない」状態になっています。
以前の私もそうでした。
自分の予算がよくわからない。
何となく買う。
月末に苦しくなる。
でも、どこを直せばいいかわからない。
この繰り返しでした。
そこでおすすめしたいのが、家計簿をつけることです。
家計簿アプリでもいいですし、GoogleスプレッドシートやExcelでも大丈夫です。
私は家庭の家計管理には、どこでも編集できるGoogleスプレッドシートを使っています。
完璧な家計簿を目指す必要はありません。
1円単位で合わせようとすると、続かなくなります。
大切なのは、お金の流れがざっくり見えることです。
収入はいくらか。
固定費はいくらか。
医療費はいくらか。
娯楽費や被服費にどれくらい使っているか。
それがわかるだけで、家計はかなり変わります。
私の場合、個人の家計には家賃や水道光熱費のような固定費はあまりありません。
その代わり、医療費が大きく占めています。
医療費は必要な支出です。
無理に削るものではありません。
だからこそ、調整するなら娯楽費や被服費、本代などになります。
私は本が好きなので、意識しないとつい買いすぎます。
図書館も利用していますが、読みたい本が開架にないこともあります。
「これは必要な自己投資」と言いながら、少し買いすぎてしまう月もあります。
本棚は知識の森ですが、財布には秋風が吹く。
そんな月もあります。
だからこそ、家計簿で見える化することが大切です。
責めるためではありません。
未来の自分を助けるためです。

お金は誰のために残すのか
お金がすべてではありません。
でも、お金で避けられる不幸は確実にあります。
たとえば、急な病気。
保険に入っていれば安心と思うかもしれません。
でも、入院となれば一時的にまとまったお金が必要になることがあります。
病院によってはカード払いができる場合もあります。
それでも、後日の請求に備えてお金を用意しておく必要があります。
私も以前、入院した時に前金を請求され、貯金を崩したことがあります。
お金がなくて、必要な医療を受けられない。
これは本当に不幸なことだと思います。
お金は、自分を守るためにあります。
家族を守るためにあります。
そして、困っている人を助けるためにもあります。
年老いた両親。
大切な家族。
何かあった時に、少しでも支えられる自分でいたい。
そのためには、日頃からお金の知識を身につけておく必要があります。
騙されないため。
必要以上に不安にならないため。
そして、正しく増やすため。
S&P500や全世界株式のような投資信託が優秀だとしても、途中で他の商品に目移りしてしまえば、思わぬ損や手数料につながることもあります。
FIREという言葉もよく聞くようになりました。
経済的自由に憧れる人も多いと思います。
でも、いきなり大きな夢を追う前に、まずは足元を固めることが大切です。
生活防衛資金を作る。
家計を見える化する。
無理のない範囲で投資を続ける。
固定費を見直す。
お金の知識を少しずつ増やす。
派手ではありません。
でも、こういう地味な積み重ねこそ、未来の安心になります。

お金の使い方は人生を左右する
大きな買い物をする時、私たちは悩みます。
本当に必要か。
今買うべきか。
もっと安いものでもいいのではないか。
この「立ち止まる時間」がとても大切です。
たとえば車を買う時。
人からどう見られたいかは、本来そこまで重要ではないはずです。
安全に走ること。
家族を乗せられること。
燃費がいいこと。
維持費が家計に合っていること。
本当に大切なのは、そういう部分だと思います。
見栄で買う買い物ほど、家計を苦しめるものはありません。
私も過去に、見栄で買ったものがたくさんあります。
今振り返ると、「あれは本当に必要だったのかな」と思うものもあります。
でも、過去を責めても仕方ありません。
大切なのは、これからどうするかです。
お金の使い方は、人生の選び方です。
何に使うか。
何に使わないか。
どこに安心を置くか。
どこに喜びを置くか。
そこに、その人の価値観が出ます。
節約は、ただお金を削ることではありません。
自分にとって大切なものを残すために、そうでないものを手放すことです。
毎日のスタバをやめることが目的ではありません。
そのお金で、家族との時間を増やす。
将来の不安を減らす。
本当に飲みたい日に、美味しくスタバを飲む。
それが、私にとっての賢いお金の使い方です。

今日からできる、お金を増やす小さな一歩
お金を増やすと聞くと、難しいことをしなければいけない気がします。
でも、最初の一歩はとても小さくていいと思います。
たとえば、次のようなことです。
・毎日のペットボトルを水筒に変える
・家計簿をざっくりつけてみる
・使っていないサブスクを見直す
・NISAで少額から積み立てを始める
・本当に必要な買い物か、一晩考える
・生活防衛資金を少しずつ作る
一気に変えようとしなくて大丈夫です。
お金の習慣は、筋トレのようなものです。
昨日より少し整える。
先月より少し見えるようにする。
去年より少し安心を増やす。
その積み重ねが、未来の自分を助けてくれます。
『トゥー・ビー・リッチ』を読んで、私は改めて思いました。
お金は、ただ増やすものではありません。
自分と家族の人生を、少し自由にしてくれる道具です。
お金に振り回されるのではなく、お金と上手につき合う。
不安に飲み込まれるのではなく、仕組みで安心を作る。
そのために、今日できる小さな一歩から始めていきたいです。
未来の安心は、ある日突然やってくるものではありません。
今日の小さな選択が、静かに積み上がっていくものです。
水筒を持つ。
家計簿を開く。
無理のない金額で積み立てる。
見栄ではなく、自分の暮らしに合った選択をする。
そんな小さな積み重ねが、いつか大きな安心になります。
お金は人生の主役ではありません。
でも、人生を支えてくれる大切な脇役です。
その脇役と、これからも上手に付き合っていきたいと思います。

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