私は障害者ですが意識して自分を障害者と思っていません。
障害が重くないというのもありますが、不自由を感じる機会があまりないからです。
以前はよくふらついて倒れていたのでヘルプマークを持っていてましたが、今は持たずに、逆に席などを譲る方になっています。
自己紹介の場面でも特に自分の障害のことはいいません。
言わずに済んでしまうことが多いです。
私の場合は聴覚過敏と頭痛が主な症状なので、それさえ出なければなんとか擬態できます。
まあコミュニケーションは独特らしいですが・・・
障害を意識しないと
「あ、そんなこともあったっけ」
と障害が現れた時にあっけらかんとしていられます。
以前、指が欠けている方とお話した時、不便だろうと思って聞いてみると
「靴紐を結ぶ時に苦労するくらいだよ!」
と聞いて驚きましたし、色盲の方とお話して紅葉の時期だったので紅葉楽しみにくいですよね、と話すと
「何となく分かるから問題ないよ!」
とこれまた驚きました。
もちろん世の中には障害で苦労されている方も多いかと思いますが、私は障害よりも自分の能力をどう活かす方が重要と考えます。
なにしろできることは多いですし、障害を逆手に取れば、例えば過集中は仕事をあっという間に終わらせることができたりします。
境遇を悲しむばかりでは誰も助けてはくれませんので、私は自分を助けます。
◯障害を意識しない
障害を意識しなくなったのは、デイケアへ通い始めてしばらく経ってからです。
ソーシャルスキルトレーニングを受けている時に、非常に基礎的な対人術を習いながら他の人が苦労しているのを見て
「なるほど、私はこういうつまづきをしてきたのか、気づけたということは次のステージへ進めるな」
と思いました。
それから、デイケアで知り合いを多く作り、着実に回復しました。
そうする中、デイケアでは自分の障害を話している人がいないことに気が付きました。
「障害のことを話さなければ普通の人と変わりないよね、私もそうしてみよう」
それから私は障害のことを話さず自分のことだけを話すようにしました。
そうすると、自分の趣味や娯楽の話、始めた動画編集の話など話が膨らみ、私の個性が出ました。
いつしか障害者であることを忘れるくらいになりました。
時折調子が悪いこともありましたが、その時は
「調子が悪いなぁ」
くらいの認識で、障害者であることを意識していませんでした。
今のパートナーと出会ったときも普通の人を装っていき、後になってそういえば話してなかったと思い出し、話すと
「全然普通じゃん、問題ないよ」
と話してくれました。
まあ、パートナーはとても心が広いのか障害を持っていても、生活保護でも全く問題にしませんでした。
すごい人だ。
◯障害を逆手に取る
私の障害は主に聴覚過敏と頭痛ですが、他にも多種多様な症状が出ています。
それらを自分の特徴と思い利用しています。
先に上げた通り、過集中は例えば仕事を早く終わらせるために利用します。
数時間ぶっ通しでできるので自分でも助かっています。
コミュニケーションの不具合は私を用心深くします。
とにかくメモに取り、スケジュールを入力し、それを確認し、実行します。
伝達も5W1Hにする、「ありがとうございます」のお礼をつける、「お時間よろしいでしょうか?」と都合を聞くなど、自分の中で完結しないように注意します。
おかげでヒューマンエラーは減りました。
落ち着きの無さは行動力へ転化します。
読書をしたり、ブログを書いたり、勉強したり、仕事をしたり、家事をしたり、育児をしたり、運動したり、とにかく行動を絶やしません。
休むことが苦手なので夜は電池が切れたように眠りますが、安眠できると思いえばそれも良しです。
他にも様々な障害起因の症状がありますがプラスに転化できるようにしています。
頭痛ですら体調の様子を図るバロメーターにしています。
利用できるものは何でも利用する、節約家の鏡ですね。
◯障害を重く考えても誰も助けてはくれなかった、自分の障害を受け入れた時人生が開けた
障害を重く捉えていた時期もありました。
多くの支援を頂いたことも事実ですが、根本的に自分が救われることはなかったと思います。
支えられながら暮らすことで自己受容、障害受容ができ、生きることに前向きに取り組むことができるようになった時、生きやすくなりました。
昔は障害に囚われて自分の障害ばかりを話していました。
そんなある日、いつものように自分の障害を話していると、
「で、何が趣味で何ができるの?」
と問いかけてくださる方がいました。
そのおかげで自分を見つめることができました。
今は必要があれば障害は開示しますが、特に意識せず暮らしています、暮らせています。
パートナーも
「ちょっと頭がおかしいだけやろ」
と笑いながら言います。
それくらいでいいんです。
笑いの種になるくらい小さくなれば障害もいつしか特徴となるのかもしれません。
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