気づけばスーパーのワゴン、デパートの季節棚、Amazonのおすすめ欄。目に入るたびに小さな「欲しい」が芽を出します。理性でスッと摘める日もあれば、どうしても負けてしまう夜もある。先日、私もつい本を一冊ポチッとしてしまいました。
でも、ここで終わらせないのが私のルール。「欲しい」に出会ったら、同額の投資信託を買う。——これ、私の“欲しいスイッチ”の安全装置です。
出費は倍に見えるけれど、実は「痛み」を前払いして、未来の自分に“お小遣い”を渡している感覚。満足は今、利益は未来。二つの時間にご褒美を分けると、衝動は不思議と静まります。
1分でできる「買わない儀式」
欲しいものを見つけた瞬間、私は必ずこの3ステップを挟みます。
- カートに入れて“保留”
買うのではなく「覚えておく」ために入れるだけ。だいたいは忘れます(笑)。忘れるものは、その程度の必要度だったという証拠。 - 同額を“未来ボックス”へ
投資信託・積立口座・小分け貯金、どれでもOK。「買っていたら消えていたお金」を、未来に移す。使いみちが“今の快楽”から“将来の安心”に置き換わるだけで、心の熱がスッと下がります。 - 代替案を15秒で考える
「今あるもので2週間しのぐ」「安価な同等品で試す」「レンタル・お下がり・メルカリを覗く」。完璧じゃなくていい、“つなぎ”を探すだけ。
「どうしても必要」かを見抜く質問
買い物で迷路に入ったら、次の4つを自分に聞きます。
- 生活が2週間止まる?(止まる→必要/止まらない→保留)
- 手放すなら、誰かが喜んで引き取る?(価値ある消費か判断)
- 単価より“使用1回あたり”は?(コスパの真実は回数に宿る)
- それ、私の機嫌を本当に整える?(ストレスの根っこ対策が先)
例:石鹸問題、華やぎたい夜のジレンマ
体を洗う石鹸は生活必需品。でも「保湿力が高いものを…」と探すほど値段が上がりがち。うちは子どもと一緒に使える、シンプルなオリーブオイル石鹸を常備しています。
ポイントは“土台の安定”。日々のベースを手頃に整えておくと、時々の“ご褒美アイテム”に資金を回せます。ベース8割、ご褒美2割。肌も家計も機嫌よく。
例:傷んだジャケット、ユニクロで見つけた“良い”の扱い方
仕事帰り、ふと鏡に映るジャケットの傷み。ユニクロで形のきれいな一着を発見。ここで深呼吸。
- まずは手持ちの服と“30コーデ想像ゲーム”。3パターン思いつかなければ保留。
- 次に“使用1回あたり”。週2回×3年=約300回。価格÷300で1回のコストを確認。納得できる数字なら、レジへ進む価値あり。
- そして、購入前に同額を投資へ。未来の安心を先に積み上げてから、今の自分を整える。心が凪いだ状態で選べば、買い物の満足度はいつもより長持ちします。
カートへ入れて“忘れる”ことの効能
人の「欲しい」は波です。ほとんどは24〜72時間で自然に静まる。だから、いったんカートで保管するだけで9割の衝動は去ります。
それでも3日後に覚えていて、用途も明確、使用回数の見通しも立っているなら——それは“本当に欲しいもの”。自信を持って迎えてOK。
「買わない」日は、暮らしを磨くチャンス
買い物をしない日、私は家の中の小さなメンテナンスをします。
・洗面台のボトル詰め替えをやめて、“詰替そのまま”にして手間を削る
・ワンアクションで取れる収納に変え、家事の移動を減らす
・クローゼットの“勝てる服”を前に寄せる
お金を使わずに快適度が上がると、買い物欲は静かに萎みます。「整える」は最強の節約。
30〜50代女性にこそ効く“小さな知恵”
家事・仕事・育児・介護、人生のハンドルを何本も握る世代。完璧じゃなくていい、でも“私の機嫌”は私の手の中に置いておきたい。
だからこそ、保留→投資→代替のリズムを、バッグの中のハンカチみたいに常備しておく。心が乾いた時、そっと取り出して使えるから。
今日から使えるミニ・チェックリスト
- □ いま買わないと生活が止まる?
- □ 使用1回あたりのコストは納得?
- □ カートで72時間、まだ必要?
- □ 同額、未来ボックス(投資・積立)へ移した?
- □ 代替案(つなぎ・レンタル・中古)は試した?
衝動は悪者じゃありません。私たちが生きている証拠。だけど、その舵は私が握る。
「欲しい」が来たら、まず一拍。未来の私にも分け前を。
今日の選択が、半年後の安心にそっと利息をつけてくれます。無理しすぎず、しなやかに。あなたの暮らしが、凪いだ湖面のように穏やかでありますように。

コメント
コメント一覧 (2件)
おはようございます。
確かに物が欲しくなってしまう時ってありますよね。
でも今の私は生活保護だし簡単には買えません。
いずれ主治医の許可が出て働けるようになったら買えばいいかなと思います。
そのためにも病気を寛解させる努力が必要かなと思います。
欲しいものがあった時、一旦立ち止まってよく考えてみる時間って必要だと思うんですよね。