奇跡のような2週間|何もしないことを「する」ことで心が回復した話

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奇跡のような2週間を過ごした

仕事の忙しさと引き継ぎのない状況が重なり、ミスが続いてしまいました。そのことで注意を受け、次第に職場で孤立しているように感じ、心は静かに、しかし確実に疲弊していきました。

やがて症状が現れました。幻聴、聴覚過敏、妄想──。

もちろん、医学的にはそう説明されるものですが、本人にとっては「実際に体験している現実」です。職場の話し声が自分への中傷に聞こえ、駅構内では誰かが自分のことを話している気がし、ラジオから流れる言葉さえ自分に向けられているように感じる。心が休まる瞬間はありませんでした。

人が怖くなり、世界に敵意を感じる。最も守るべき存在である我が子にさえ、心がささくれてしまう──。

Siri

「これは危ない」

そう感じ、主治医を緊急受診しました。

お医者さん

「脳が身構えとるから、休ませんかんのう。1週間ほど仕事を休みんしゃい」

薬とともに“休暇の処方”をもらい、震える手で税理士先生へ事情を伝え、休みをお願いしました。結果は了承。胸をなで下ろしました。

1週間休み、再度受診。

お医者さん

「まだ不安感が残っとる。もう少し休もう」

こうして、11月末からさらに1週間。合計2週間の休養が始まりました。


休んでわかったこと|日常は、意外と変わらない

休む前は、仕事が止まったら生活が崩れる気がしていました。

でも、実際に休んでみると──日常は、案外変わりませんでした。

けれど「何もしない時間」は、確実に私を癒やしてくれました。


仕事だけが人生じゃない

仕事は、生活の糧であり、自己表現であり、価値を認められる場でもあります。

私にとっても、仕事は「楽しいこと」であり「生きるための手段」でした。

ただ、それはとても狭い視野で仕事を見ていたのだと、休んで気づきました。

今の仕事に固執する必要はない。 人に気を遣い続ける余裕も、今はない。 貯金はあり、生活の心配も当面はない。

最初は「クビになったらどうしよう」と怯えていましたが、仮にそうなったとしても、別のアルバイトをすればいい。私には作業所という選択肢もあります。仕事に完全に困ることはありません。

障害年金という収入もありますし、自宅でできる仕事を選ぶ道もある。

世界は思っていたより、ずっと広かったのです。


何もしないことは、後退じゃない

2週間、本当に“何もしない”日々を過ごしました。

前進はしていません。でも、後退したかと言われれば、そうでもありません。

人間は「何もしない」ことが、実はとても苦手です。

何もない部屋に入れられ、耐え難い電気刺激のスイッチを渡される心理学実験では、人はそのスイッチを自ら押してしまうそうです。刺激がなくなることのほうが、怖いのかもしれません。

私の場合、普段できなかった掃除や読書をしていました。

気になっていた家の汚れが消え、積読だった本を読み終える。 それだけで、心はずいぶん軽くなりました。


何もしない2週間で見つけた、休息のコツ

一番大きな変化は、寝る時間でした。

子どもを寝かしつける21時には一緒に布団へ入り、そのまま眠る。

以前は、子どもが寝たあとに起きて家事や仕事をしていましたが、それを朝に回すだけで、体は驚くほど楽になりました。

とはいえ、21時就寝が難しい方も多いと思います。 そこで、私が実践している“時間を生み出す工夫”を紹介します。

  • お風呂は家族全員で入り、歯磨きまで済ませる
  • 夕食は一汁一菜でシンプルに
  • 洗濯は夜に時短洗い+部屋干し、朝まで乾燥
  • 食後の片付けは2人で一気に終わらせる
  • スマホは充電ケーブルにつないで触らない

スマホは、最大の時間泥棒です。 視界から消すだけで、夜は驚くほど静かになります。


日常の中に、癒やしはもうあった

何もしない2週間は、「癒やしを探す時間」でもありました。

  • 朝、静かな時間に読む本
  • 保育園に送ったあとのコーヒー
  • 映画やドラマに没頭する時間
  • 日記を書くひととき

特別なことはしていません。 ただ、これまで義務のようにこなしていた日常が、癒やしに変わったのです。

特に読書は、私にとって心を整えるために欠かせないものでした。


職場復帰で気づいたこと

2025年12月第2週から、時短勤務で復帰しました。

  • 6時間拘束・5時間勤務
  • 週4日

程よい疲労感で、ちょうどいい。

2週間後には6時間勤務へステップアップし、順調に仕事へ戻れています。

勤務時間を短くしたことで、家事や子どもと遊ぶ時間が増え、QOL(生活の質)は確実に上がりました。

収入は少し減りましたが、明るいうちに帰れる生活は、何ものにも代えがたいものです。

時間に余裕があると、料理も丁寧にできます。

時短勤務は「妥協」ではなく、「選択」なのだと思います。

繁忙期は時間を延ばすことも、事前に伝えてあります。 伝えるべきことを伝えただけで、心はずっと軽くなりました。


時間は、人生の資産

自分の時間を取り戻したい人は、思い切って働き方を変えるのも一つの方法です。

時間は、お金と同じ“資産”。

どう使うかで、人生の質は大きく変わります。

何もしないことを「する」。

その選択が、私をここまで回復させてくれました。

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